01 プロフィール
株式会社ファミリエ/ファグリ
代表取締役 岡田直樹
- 資格
- 宅地建物取引士
ドローン許可(東空運行第47866号) - 趣味特技
- 車整備/DIY/素潜り(魚突き)/マジック/ギター/カメラ/ドローン/映画鑑賞/旅行/家庭菜園/キャンプ/カラオケ/麻雀/重機操作
- 経歴
- ミュージシャン/スイーパーオペ/不動産営業/ファミリエ起業/農業法人ファグリ起業/農業事業開始/カフェオープン/キャンプ場オープン/ドッグフリーサイト/民泊/有害鳥獣駆除
03 就農への挑戦
農地を、次世代へ繋ぐための「覚悟」
農地を所有し、守っていくためのハードルは、今なお決して低くはありません。「農家」や「農地所有適格法人」という資格を得るためには、やる気だけでなく、緻密な計画と法的な壁を乗り越える力が必要です。
私自身、農業委員会や農業アカデミー、経営相談所など、あらゆる窓口へ足を運び、自分の理想と現実の制度を照らし合わせる日々を過ごしました。山のような営農計画書や事業計画書を作成し、何度も書き直し、思い立ってから就農までに丸一年を費やしました。
譲り受けた農地は、離農される農家さんのみかん畑から、相続後に手付かずとなり荒れ果てた耕作放棄地(荒廃農地)まで様々です。特に荒廃農地は一朝一夕に再生できるものではありません。そのため、私は「3年がかりの再生計画」を立て、一歩ずつ土地に命を吹き込んできました。
不動産のプロとしての知識と、現場で培った農業の実績。その両方があるからこそ、農地の処分や継承に悩む皆様の力になれると確信しています。
※耕作放棄地と荒廃農地は、どちらも耕作されず放置された農地を指しますが、主な違いは「土地の荒れ具合」となり、耕作放棄地がさらに放置され、樹木が生えるなどして再生不能になったものが荒廃農地となります。
- 荒廃農地:荒れ果てて、すぐには農業利用できない状態(物理的崩壊)
- 耕作放棄地:1年以上作付けしておらず、今後もその予定がない土地(期間や所有者の意思)
04 耕作放棄地再生の真実
農地を、次世代へ繋ぐための「覚悟」
大磯町での就農後、私は1万㎡(1ヘクタール)を超える耕作放棄地を開拓してきました。しかし、そこで直面したのは、荒れ果てた土地以上に厳しい「法律と行政の壁」でした。
「所有農地に一箇所でも未開墾の場所があれば、新しい農地は買えない」という、現場の実態とは乖離したルールの存在。地域貢献や地方創生を志し、猪の住処となった荒地を復元しようとする歩みを、単なる「決まり」の一言で否定されることもありました。
さらに、耕作放棄地の再生には、驚くほど多角的かつ高額なコストが立ちはだかります。
- 農地法許可(4条申請): 通常 10〜20万円
- 森林法(伐採届): 通常 10〜数百万
- 環境・土木規制(枝葉処分・盛土規制): 通常 数万〜数百万
- 国有財産法(畦畔払下げ): 確定測量を含め 100〜数百万
これだけの費用と、最短でも1ヶ月を要する膨大な書類作成の手間を前に、多くの人が再生を断念してしまうのが今の日本の現実です。
しかし、私は諦めません。不動産業25年の経験を活かし、自らCADで計画図を作成し、自前の重機を操ることで、通常なら数千万円かかることもあるコストを最小限に抑え、現実的な「開墾」を実際に行いました。
05 現場主義で突破する「土地の再生」
実際の現場は、想像を絶するものでした。
何年も放置された樹木には、ユンボですら切断できないほど太く成長したクズのツタが絡みつき、チェーンソーとユンボを駆使して進んでいきます。平地だけでは無く斜面ももちろんありますし、スズメバチの巣もありました。少し進むだけでも命がけの作業です。しかし、本当の困難はその先にありました。
ようやく開拓を終えて現れたのは、作物が育つはずもないガチガチの粘土質の土。土地を蘇らせるために「表土の補充」をしようと東奔西走しましたが、最後には「畦畔(けいはん)の払下げ」という数百万単位の費用と膨大な手続きが壁となり、断念せざるを得ませんでした。
耕作放棄地を開墾することは、単なる作業ではなく、こうした「制度の矛盾」との戦いでもあります。行政に「決まりですから」と突き放され、途方に暮れている農家さん。その怒りも、喪失感も、私は自分自身の身体を通して理解しています。
06 農地と里山の未来を、共に描く
「農地の出口」が見つからない方へ
現在、多くの地主様が「跡継ぎがいない」「体力が限界だ」という深刻な悩みを抱えています。どこにも相談できず、耕作放棄地が増え続けていく現状に、私自身も危機感を募らせてきました。
本来、うちの農業法人では「将来の農家を育て、開拓した農地と共に独立してもらう仕組み」を目指していました。しかし、現場で実際に動いて分かったのは、荒廃農地(耕作放棄地)の再生は現在の制度下では「現実的に不可能」であり、行政もそれを推奨していないという事実でした。
「仕組み作りが難しいなら、せめて今困っている方の『手助け』をしたい。」その思いから、私たちは現在、不要となってしまった農地処分のサポートやマッチングに力を入れています。
「この土地をどうにかしたい」。その切実な願い、現場を知るプロとしてサポートしますので、まずは一度、お声がけください。
07 里山を守るために
大磯町黒岩の里山で農業に深く関わる中で、直面したのは鹿やイノシシによる深刻な獣害被害でした。育てた栗はほとんどイノシシに食べられ収穫できず、苗木の新芽は鹿に食べられ、キャンプ場の芝生さえも無残に掘り返される現実。これは、実際にこの土地を耕す者しか知り得ない、里山の切実な悲鳴です。
私はこの課題に対し、単に「駆除」するのではなく、地域の環境を守り、奪わざるを得なかった命を「恵み」として大切にいただく「里山の循環」を創りたいと考えました。現在、専門家の協力を得て有害鳥獣駆除の許可を取得し、活動を開始しています。
08 有害鳥獣駆除とジビエへの挑戦
駆除した個体を「ジビエ」として安全に皆様へお届けするためには、非常に高いハードルが存在します。
- 行政の壁: 大磯町(イノシシ等)や神奈川県(鹿)への駆除申請・許可取得。
- 衛生の壁: 保健所による「食肉処理業・販売業」の営業許可。
- 場所の壁: 許可を得た専用の「ジビエ解体所」の確保。
現在、近隣には認可された解体所がなく、遠方の施設まで運ぶには膨大な時間と手間がかかります。自ら解体所を作るにしても、国や県が推奨している一方で、一般の方が参入するにはあまりに高い設置基準という現実があります。地域の農業と環境を守るだけでなく、奪わざるを得なかった命を「恵み」として大切にいただく、ジビエとしての活用を広めたいと考えて、精一杯準備を進めています。